「WASEDAものづくりプログラム2025」結果報告

2025年12月25日「WASEDAものづくりプログラム2025」の最終成果報告会を開催しました。
この「WASEDAものづくりプログラム」は、本学理工系学生の独創的なアイデアを教職員の指導・サポートのもとで学生自身がカタチにする創造力強化プログラムです。
通常の授業や実験とは違い、学生が主体的にアイデアを具現化しながら、知識と技術の融合、課題解決力、発信力、そして協働力を実践的に養う教育効果が期待されます。
今年度は、最終審査において14チームがプレゼンテーションおよびポスターセッションを行い、“企画”、”発表”、”成長”、”製作物”の5つの観点から審査が行われました。
なお、本プログラムはWASEDA理工パートナーズの後援で実施しており、最終成果報告会では参加企業のみなさまにも審査に加わっていただきました。


【ものづくり大賞:ものづくり奨励金20万円】

音の「かたち」を発見する、正12角形型キーボード「ドデカMIDI」
高野琉衣(表現工学科/B2 )

既存の鍵盤楽器は、黒鍵と白鍵の配列により、同じ和音構造でも調ごとに異なる運指を求めるため、理論と操作を結びつけるのに追加の負荷が生じやすい。ドデカMIDIでは、聴覚上の構造と視覚・触覚上の操作が一貫して対応するインターフェースを構築し、学習時の理解を助けると同時に、直感と理論が整合する作曲支援を実現する。さらに、現在の和音やキー文脈に応じて次の和音候補を提示する提案機能を実装することで、試行錯誤を継続しやすい作曲体験へとつなげる。


【技術奨励賞①:ものづくり奨励金8万円】
【企業賞:アクロクエストテクノロジー様、パーソルAVCテクノロジー様】

Gripet
渡邊 康生(創造機械工学科/B3)
松葉 晃太 (創造機械工学科/B3 )
佐藤 裕樹 (創造機械工学科/B3 )
關根 廉(創造機械工学科/B3)

Gripet(グリペット)は、学習の”続かない”を解決する 学習継続支援ロボットアームです。多くの人がつまずく「勉強を始める気が起きない」という最初の壁に対して、声かけとペンを手渡す行動で“始めるきっかけ”を作ります。
アラームをセットすると、指定時刻に Gripet が話しかけ、トレーからペンを取ってユーザーへ渡します。さらに学習開始後は、机上の教材(教科書・ノートなど)をカメラで確認し、「何を」「どれくらい」学習したかを自動で記録。学習ログを振り返れることで達成感が生まれ、次の学習へのモチベーションにつながります。
また、ユーザーの表情から疲労度を推定し、状態に応じて適度な休憩や糖分補給、必要に応じて睡眠も提案します。Gripet はキャラクター性を持ち、学習量に応じて機嫌や反応が変わるなど、感情豊かにコミュニケーションを取ります。「机に向かう時間を少し楽しくする」ことで、勉強を生活の中に自然に定着させることを目指します。


【技術奨励賞②:ものづくり奨励金8万円】

3Dバーサライタ型天球
益田隆太郎 (総合機械工学科B4 )

私たちが普段使っているディスプレイは主に 2 次元平面で表示されます。ディスプレイに 3DCAD 等の3 次元空間を映し出しても、現実世界では角度によって見える角度、見えない角度が生じます。

3D バーサライタはそのような問題を解決する装置で2D ディスプレイでは得られないような”奥行き感覚”を提供します。今回は 3D バーサライタ上に天球をはじめとした様々なデモを表示し、皆さんに面白い視覚効果を体験していただきます。


【アイデア賞:ものづくり奨励金5万円】

センサマシマシコントローラー
吉澤野乃花 (総合機械工学科/B3)
木棚麗香 (総合機械工学科/B3)
井上智貴 (総合機械工学科/B3 )

本作品は、現実世界の物理的な入力やプレイヤーの生体情報をゲーム世界へ反映させる、マルチセンサ搭載のコントローラによる体感型アクションゲームです。

ESP32 マイコンを搭載した独立型の無線コントローラを独自に設計・制作 し、入力デバイスとしてジョイスティックとプッシュスイッチを備えるほか、RGB、水位、ジャ イロ、音、脈拍、温湿度の計 6 種類のセンサを搭載しています。

「光」「音」「傾き」「心拍」といった要素がゲーム攻略の鍵と なり、コントローラを操作するプレイヤー自身の状態がダイレクトに結果に結びつく新しい没入感を 提供します。


【アイデア賞②:ものづくり奨励金5万円】

理想の音楽を流す目覚まし時計
伴晴香 (表現工学科/B2 )

この作品は、私が「毎朝起床すると同時に音楽を流す」、という習慣を持つことから製作に至った。例えば、暖かく晴れた日にはアップテンポでエネルギッシュな曲を、雨の日にはしっとりと穏やかな曲を再生する。今回は、この私の脳内アルゴリズムを再現し、カーテンから入る朝日の具合や部屋の温度・湿度、時間帯、気分などによって総合的に決定するその日の雰囲気合わせて自動的に音楽を決め、それをアラーム音として流す目覚まし時計を作成した。これを用いることで、毎朝曲を自分で探す労力を省くことができ、その日の雰囲気を強調して感じ取ることができる。


【特別賞①:ものづくり奨励金2万円】

空調羽織 季結(きゆい)
森田オリザ (応用物理学科/B1 )

夏は暑いし冬は寒い。嫌だねぇ。これらを同時に緩和できないものか、そう考えた。他方、日本の伝統的な服装、和服は日常着としてはとうの昔に淘汰されている。悲しくないか?私はそうも考えた。

そして出来上がったのがこの冷暖房和服、「季結」(きゆい)である。ワンスイッチで冷房と暖房を切り替え、任意のタイミングで暖かい風あるいは冷たい風を供給できる和服だ。しかもマイコンを積んでいるため、温度センサーが読み取った値をもとに出力を制御、常に快適な温度域を維持することができる。また和服であるため、電子機器は袂の中にしまってしまえば構造上の制約を緩和できる。ほかの領域では軽視されがちな「見た目」であるが、人が着るものでは重要な項目である。空調服のようなもこもこした見た目はファッション性に乏しい。そんな現状に対する一つのアンサーでもあると考えている。


【特別賞②:ものづくり奨励金2万円】

香鳥風月-羽ばたきで香りを広げるアロマディフューザー-
江幡真吾 (総合機械工学科/B3)
森田李将 (総合機械工学科/B3)
一瀬鞠華 (総合機械工学科/B3 )

私たちは、羽ばたきで香りを広げるアロマディフューザー「香鳥風月」を制作しました。心落ち着くアロマが広がる空間で、機械特有のモデル化された美しい動きに見とれる、幸せな体験を届けます。

本企画は、鳥の美しい羽ばたきを機械で再現してみたいという純粋な思いから始まりました。白鳥が降り立つ瞬間の羽ばたきと空気の流れに注目し、白鳥の有機的で複雑な羽ばたきが新たな空気の流れを生み出す様子を、アロマを香らせることで表現しました。

また、あえて早送りやスキップのできない機械で羽ばたきを再現することで、情報があふれ時間の流れが速い現代人の日々の生活に視覚的にも癒しを与えられる点でも「香鳥風月」は革新的です。ホールやロビーなどに設置することで、人々が集まる憩いの場を演出することができると考えます。


【企業賞:エリートネットワーク様】

あなたの読書友達 フクロウ型アニマトロニクス Bibli-Owl(ビブリオウル)
片桐萌音 (総合機械工学科/B4 )
玉山康次郎 (総合機械工学科/B4 )
林 浩次郎 (総合機械工学科/B4)

前回プログラムでは、人をみまもるフクロウ型アニマトロニクス「Patr-Owl」を作成した。本プログラムでは、「Patr-Owl」のハード・ソフトをベースに進化させ、新たなコンセプトとして「読書支援」をテーマに、新しいフクロウ型アニマトロニクスを製作した。

本アニマトロニクスは、図書館、教育機関の図書室、学童、児童館、ブックカフェ(あるいは家庭)などの読書空間に設置することで、読書をする人をやさしく見守るほか、新しい読書体験を提供し、自然な読書の動機付けにつなげることを目的としたロボットである。

①本を近くに置くと自ら近づき、ページをめくって本を読み、内容を理解する。

②読んだ本の内容やおすすめの本について会話できるインタラクションを行う。

③読書に集中できずついスマホを見てしまう等、読書中の課題を見守り、必要に応じて指摘する。